どっちがいいの?スペシャリストorゼネラリスト?
社会人になって、
『スペシャリスト』になるか
『ゼネラリスト』になるか
という問によくぶつかる。
両者の言い分はこうだ。
★スペシャリスト派★
・一芸に秀でるものは多芸に通ず
・多芸は無芸、器用貧乏という言葉もあるように、
一つのことを極められないやつがいくつもの分野や領域に手を出しても、中途半端になって結局役に立たない。まずは一つの分野でじっくり業を極めることが肝要だ。
★ゼネラリスト派★
・今の世の中一本槍では食べていけない
・一番でなくとも得意な領域の掛け算によって価値を生み出す時代
明治〜大正の小さなコミュニティでは、家の修理や食べ物の調達、家具の制作や祭事の運営など幅広く物事をこなしていた。様々な領域ができる人が存在すること自体に価値があったのだ。
なるほど。
どちらの言い分もよくわかる。
では社会的に見るとどうなのだろうか?
次にそれぞれのメリットデメリットを具体例を交えて列挙しよう。
■メリット■
★スペシャリスト★
ひとつのことに秀でているため、この分野ならあの人と言うポジションが作りやすい。
Ex.
デザインやイラストなら〇〇さん
会計や税金については✕✕さん
教育や場づくりについては△△さん
など
★ゼネラリスト★
いろんな領域のことができるので、小さなコミュニティではとても、重宝される。
Ex.
水道の修理と電気の配線と網戸の張替え誰か手伝ってくれないかしら?
⇒ 僕できますよ。
ついでに買い物と子供の育児と旦那の夕ご飯作ってくれます?
⇒ できますけど、それは自分でやってください(笑)
■デメリット■
★スペシャリスト★
分野や領域が狭くなりがち。
特定の分野の考え方に固執し続けると、時代の流れが変化した時に対応出来ず食べていけなくなる可能性がある。
Ex.
桶屋一筋の桶屋職人。プラスチック製の桶の普及や銭湯の減少によって危機的状況になる。
農業をずっと生業としてきたが、海外輸入品や最近の気候変化でお金にならなくなった。
会計士、税理士。供給過多の上、優れた会計ソフトの出現により、個人でも十分な収支管理が可能になってしまった。
★ゼネラリスト★
あれもこれも出来るが、結局その道のスペシャリストにはかなわない。ある程度以上の技術を求められると、要求に答えられなくなる。
Ex.
今度店を開くにあたって、行政からの補助金を取って、店内の水周りや配管工事、電気配線を自前で整えたいんだけどできる?
⇒ ちょっとそこまではできません。
■結局のところどっちがいいの?■
端的にいえば、
・大きなコミュニティで生きるならスペシャリスト
・小さなコミュニティで生きるならゼネラリスト
であろう。大きなコミュニティや他分野に移動する可能性がある人は、自分は何が得意でどういう貢献の仕方が明確でなければ、所属するメンバーもどう扱っていいのかわからない。
一方小さいコミュニティでは、あれもこれも出来る方が人的コストが削減されるため重宝される。
■そうは言ってもどっちも捨てがたい ■
時代の流れは変わってきています。
★T字型の人材、エキスパートジェネラリストという存在★
スペシャリストとゼネラリストのいいところを取った存在。専門性を掘り下げた上で、近接する分野の専門性を横に広げていく。
⇒ 専門性と汎用性を兼ね備えた、いわゆるT字型の人材、エキスパートジェネラリスト。
ポイントは近接する横の分野に専門性を広げることだ。